あれこれとカウンセリングのことを考えるブログです。
こんばんわ。
今回は「抵抗」についてです。精神分析で重要な概念、レジスタンスです。逆転移よろしく逆抵抗なる概念もあります。なんだか分析系の話題ばかりになりましたが、もちろん私は分析家ではありません。カウンセリングを生業とするタダのカウンセラーです。
古典的な精神分析は、クライエントとカウンセラーが作業同盟・治療同盟を結び、基本規則にしたがってスタートするものです。この基本規則に反することは、抵抗と呼ばれ、対処すべきことになります。基本規則とは、広義にはカウンセリングを進めるにあたっての治療構造ないし枠組みをなす約束事です。そして狭義には、自由連想法を順守しましょうという決まりでもあります(思い浮かぶことを自由に話して下さいという姿勢は、現代のカウンセリングにも受け継がれている)。
連想内容をマテリアルとして、それを解釈して行く古典的な精神分析は、すぐに壁にぶち当たりました。クライエントの自由な連想がストップしてしまう等、抵抗現象に見舞われたのです。そこに現われた精神分析技法の革新者が、悪名高いウィルヘルム・ライヒでした。
ライヒは、抵抗現象を生み出す性格の鎧(のちに筋肉の鎧)を突破して操作する、性格分析の技法を体系化しました。話の内容だけでなく、クライエントがどのように話すか注目し、そこに働きかける技法です。ナラティヴの内容ではなく形式面に注目したわけです。今日いう、バーバルとノンバーバルの区別は、彼が走りであったと言っても過言ではありません。
ライヒの影響を受けたゲシュタルト療法のパールズや、私が敬愛するカイザーやシャピロは、この性格分析を継承して独自のアプローチを編み出して行きました。はっきり言うと、これぞ精神分析!といえる、自由連想法を放棄したのです。ライヒ自身は、性格分析のめどがついたら、やはりテクスト分析を主たる作業とする連想内容の分析に戻るべきとして、フロイトへの忠誠?を示したのですが、ライヒの継承者は戻ることをしなかったのです。つまり、狭義の基本規則の放棄です。(ライヒもその後、精神分析の世界を離れてしまいます)
さて、抵抗は基本規則へのいわば謀反でした。ということは、基本規則を放棄すれば、もはやそこに抵抗なる現象は起きないことになります。理論的には。あまり意味をなさなくなると言いますか。
基本規則との結びつきを離れて、抵抗をもっと広く考えてみましょう。
生体レベルで考えてみます。もしも身体に何らかのウィルスが侵入したとします。すると、生体内部では、ウィルスと戦って撃退しようとする体制が整えられます。抵抗するわけです。生命体であればだれでも身につけているような、危険から身を守ろうとするメカニズム、これが抵抗です。抵抗力が弱まっているとき、その生命体はウィルスに敗れ、脆弱化するはずです。このように考えると、抵抗を当然のことであると、肯定的に理解できます。
カウンセリングのなかでクライエントの示す抵抗は、人それぞれでしょう。どんなことに抵抗があるのか、人によって違ってくるのです。そこにアプローチするのが、ライヒのよき継承者たちと考えることができます。
個別的なカウンセリングでは、これは抵抗だとか、行動化だとか、転移だとか、とかく専門用語で考えてしまいがちなのがカウンセラーです。しかし、概念そのものにクライエントに対する否定的なニュアンスがすでに含まれているわけでして、下手をすると共感的な姿勢が保たれなくなってしまうかもしれません。はっきり言うと、そのようなジャルゴンを口にするときは、クライエントに対して、カウンセラーが否定的な感情をすでに抱いているのかもしれません。
これは自戒の意味で言うのですが、カウンセリング場面を理解する際の「用語」の使い方には注意したいものです。「クライエントが抵抗を・・・・これは転移として理解される・・・・・基本規則を守らない・・・・・・」こんな言葉が連発されるとしたら、もうクライエントをめった切りしていることになります。ちょっと、ゾッとしますね。
ではまた。
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カウンセラーとの相性
カウンセラーの選び方
精神医学と性的偏見
農村の女性とカウンセリング
ハラスメントとカウンセリング
電話・メールによるカウンセリング
無料カウンセリングについて考える
今回は「抵抗」についてです。精神分析で重要な概念、レジスタンスです。逆転移よろしく逆抵抗なる概念もあります。なんだか分析系の話題ばかりになりましたが、もちろん私は分析家ではありません。カウンセリングを生業とするタダのカウンセラーです。
古典的な精神分析は、クライエントとカウンセラーが作業同盟・治療同盟を結び、基本規則にしたがってスタートするものです。この基本規則に反することは、抵抗と呼ばれ、対処すべきことになります。基本規則とは、広義にはカウンセリングを進めるにあたっての治療構造ないし枠組みをなす約束事です。そして狭義には、自由連想法を順守しましょうという決まりでもあります(思い浮かぶことを自由に話して下さいという姿勢は、現代のカウンセリングにも受け継がれている)。
連想内容をマテリアルとして、それを解釈して行く古典的な精神分析は、すぐに壁にぶち当たりました。クライエントの自由な連想がストップしてしまう等、抵抗現象に見舞われたのです。そこに現われた精神分析技法の革新者が、悪名高いウィルヘルム・ライヒでした。
ライヒは、抵抗現象を生み出す性格の鎧(のちに筋肉の鎧)を突破して操作する、性格分析の技法を体系化しました。話の内容だけでなく、クライエントがどのように話すか注目し、そこに働きかける技法です。ナラティヴの内容ではなく形式面に注目したわけです。今日いう、バーバルとノンバーバルの区別は、彼が走りであったと言っても過言ではありません。
ライヒの影響を受けたゲシュタルト療法のパールズや、私が敬愛するカイザーやシャピロは、この性格分析を継承して独自のアプローチを編み出して行きました。はっきり言うと、これぞ精神分析!といえる、自由連想法を放棄したのです。ライヒ自身は、性格分析のめどがついたら、やはりテクスト分析を主たる作業とする連想内容の分析に戻るべきとして、フロイトへの忠誠?を示したのですが、ライヒの継承者は戻ることをしなかったのです。つまり、狭義の基本規則の放棄です。(ライヒもその後、精神分析の世界を離れてしまいます)
さて、抵抗は基本規則へのいわば謀反でした。ということは、基本規則を放棄すれば、もはやそこに抵抗なる現象は起きないことになります。理論的には。あまり意味をなさなくなると言いますか。
基本規則との結びつきを離れて、抵抗をもっと広く考えてみましょう。
生体レベルで考えてみます。もしも身体に何らかのウィルスが侵入したとします。すると、生体内部では、ウィルスと戦って撃退しようとする体制が整えられます。抵抗するわけです。生命体であればだれでも身につけているような、危険から身を守ろうとするメカニズム、これが抵抗です。抵抗力が弱まっているとき、その生命体はウィルスに敗れ、脆弱化するはずです。このように考えると、抵抗を当然のことであると、肯定的に理解できます。
カウンセリングのなかでクライエントの示す抵抗は、人それぞれでしょう。どんなことに抵抗があるのか、人によって違ってくるのです。そこにアプローチするのが、ライヒのよき継承者たちと考えることができます。
個別的なカウンセリングでは、これは抵抗だとか、行動化だとか、転移だとか、とかく専門用語で考えてしまいがちなのがカウンセラーです。しかし、概念そのものにクライエントに対する否定的なニュアンスがすでに含まれているわけでして、下手をすると共感的な姿勢が保たれなくなってしまうかもしれません。はっきり言うと、そのようなジャルゴンを口にするときは、クライエントに対して、カウンセラーが否定的な感情をすでに抱いているのかもしれません。
これは自戒の意味で言うのですが、カウンセリング場面を理解する際の「用語」の使い方には注意したいものです。「クライエントが抵抗を・・・・これは転移として理解される・・・・・基本規則を守らない・・・・・・」こんな言葉が連発されるとしたら、もうクライエントをめった切りしていることになります。ちょっと、ゾッとしますね。
ではまた。
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