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あれこれとカウンセリングのことを考えるブログです。
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こんばんわ。

今回は、震災と研究倫理についてつぶやきます。まずは、このたび被災された方々にお見舞いを申し上げます。

でははじめましょう。

以下に引用するのは、日本精神神経学会が震災後、今年の五月になって発表した緊急声明の一部です。お読みください。

・・・・過酷な状況下におかれている被災者の方々は、これらの調査・研究の対象となった結果、一層の精神的負担を負い、傷ついた心の回復が遅れる、あるいは新たな心の傷を負うことが危惧されます。また、配慮を欠いた調査・研究が行われたために、被災者の方々が心を閉ざし、本来必要な「精神医療支援チーム」の活動にも支障が生じております。・・・・(中略)・・・・日本精神神経学会は、被災者の方々に不適切な精神的負担を強いる、倫理的配慮を欠いた調査・研究は、人道・倫理に反するものであり、強く抗議の意を表明するとともに、即刻の中止を求めます。・・・・

この声明を読んで、カウンセラーであり、カウンセリングの研究者でもある私は、唖然としました。この声明によると、もうすでに倫理的な配慮を書いた調査研究が、現地で行われ、当事者の皆様に悪い影響を及ぼしているらしいのです。

言語道断です。具体的にどのようなリサーチが行われたのか不明ですが、いったいどうなっているのか。私が所属する日本臨床心理士会や、臨床心理学系の学会も、現地にカウンセラーを派遣しているはずですが、それはリサーチ目的ではなく、あくまでケアが目的です。彼らがこの声明文の批判対象とは考えにくく、他に心ないリサーチが土足で現地入りしたのだと思いますが、私としては、一介の研究者として心を痛めます。

カウンセリングや心理学の世界で、いま研究倫理はどのように動いているのでしょうか。かなり倫理教育が広まってきましたが、やはり研究を実際に行う際には、個人の責任にゆだねられているのが現状と思います。あまり海外事情には詳しくないのですが、アメリカの大学であれば、何か心理学のリサーチを行うときには、あらかじめ学内の委員会に研究計画書を提出して、内容をチェックした上でOKがでるようです。そこで何か問題が見つかれば、リサーチの許可が出ないわけです。

日本のカウンセリングの世界は、まだここまで倫理的なシステムが構築されていないと思います。おそらく、近い将来には大学やそれに準ずる研究機関ではそのような手続きが必須の時代になると思うのですが、カウンセラーの多くはそのような機関に所属しているわけではありません。とくに、個人でカウンセリング・ルームを開設しているカウンセラーは、いずれにしても個人レベルの責任において研究を進めなければならないでしょう。

カウンセリング研究の倫理も、カウンセリング行為自体の倫理も、まだまだこれからというのが日本なのかもしれません。以前に比べると倫理教育がかなり充実しつつあり、日本の指導者的立場にある方々の努力のおかげと思います。どうか、カウンセリング倫理の制度化がますます進化して行きますように。

ではまた。

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